专利摘要:
本発明の実施形態は、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの存在または不存在を検出するための装置、キットおよび方法を特徴とする。この方法、装置およびキットは、ミネラルコルチコイドを潜在的に有する1以上の生物学的サンプルを受容するためのカラムを備えた高速液体クロマトグラフィシステムを特徴とし、前記クロマトグラフィシステムは、最初に1以上の生物学的サンプルを受容し、前記ミネラルコルチコイドが存在する場合には、ミネラルコルチコイド保持時間にて、ミネラルコルチコイドに関する少なくともミネラルコルチコイド保持ピークを含む保持ピークに化合物を分離する。さらに、高速液体クロマトグラフィシステムと流体連通した質量分析計は、ミネラルコルチコイド保持時間にてミネラルコルチコイド保持ピークを含む1以上の前記保持ピークを受容し、シグナルを生じ、保持ピークおよび質量電荷値によって前記ミネラルコルチコイドを同定できる。
公开号:JP2011505560A
申请号:JP2010536054
申请日:2008-11-14
公开日:2011-02-24
发明作者:クーパー,ドナルド・ピーター;テイラー,ポール・ジエイムズ;モリス,マイケル
申请人:ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン;
IPC主号:G01N30-88
专利说明:

[0001] 関連出願の相互参照
本出願は、2007年2月11月30日に出願されたU.S.Serial Number 60/991,248に対する優先権の恩恵を主張し、この内容全体を本明細書に参考により組み込む。]
[0002] 本発明の実施形態は、生物学的サンプル中におけるミネラルコルチコイド、例えばアルドステロンの存在または不存在を決定することに関する。]
背景技術

[0003] 循環ミネラルコルチコイド、例えばアルドステロン濃度の正確な測定は、ミネラルコルチコイド障害の正しい診断に必須である。原発性アルドステロン症(PAL)は、アルドステロンレベルが高いことで生じ、結果として高血圧および体液貯留を生じる。]
[0004] 本明細書で用いられるとき、「ミネラルコルチコイド」という用語は、塩および水バランスに影響するステロイドホルモンのことを指す。アルドステロンおよびコルチゾールは、重要なミネラルコルチコイドである。アルドステロンという用語は、以下の式1に示されるように、式C21H28O5を有する4環構造を有するステロイドを指す通常の化学的意味にて使用され、3つの環は6員環であり、1つの環は5員環である:]
[0005] ]
[0006] 「コルチゾール」という用語は、以下の図2に示されるように、式C21H30O5を有する4環構造を有するステロイドを指す通常の化学的意味にて使用され、3つの環は6員環であり、1つの環は5員環である:] 図2
[0007] ]
[0008] アルドステロンの測定に関する現在の主流は、抗体に基づく方法によるものである。これらのイムノアッセイは、変動する選択性および低い研究室間の再現性のために制限され、各研究室では、PALの診断に関して独自の参照範囲を確立する必要がある。]
発明が解決しようとする課題

[0009] PALおよびその他の障害のスクリーニングおよび確認の両方のために、血液、血漿、尿などのような生物学的流体中のアルドステロンを決定するための方法、キットおよび装置が所望されている。]
課題を解決するための手段

[0010] 本発明の実施形態は、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの存在または不存在を検出することを対象とする。本発明の実施形態の1つは、ミネラルコルチコイドを潜在的に有する1以上の生物学的サンプルを受容するためのカラムを備えた高速液体クロマトグラフィシステムを有する装置を対象とする。クロマトグラフィシステムは、最初に1以上の生物学的サンプルを受容し、前記ミネラルコルチコイドが存在する場合には、ミネラルコルチコイド保持時間にて、少なくともミネラルコルチコイド保持ピークを含む保持ピークに化合物を分離する。装置はさらに、ミネラルコルチコイド保持時間にてミネラルコルチコイド保持ピークを含む1以上の保持ピークを受容する、高速液体クロマトグラフィシステムと流体連通した質量分析計を含む。質量分析計は、ミネラルコルチコイドの存在下でこの保持時間にてシグナルを生じ、保持ピークおよび質量電荷値によってミネラルコルチコイドを同定できる。]
[0011] 本明細書で用いられるとき、「生物学的サンプル」という用語は、尿、血液、血漿脳脊髄液などである。生物学的流体は、処理されてもよく、または高速クロマトグラフィシステムに直接適用されてもよい。好ましいサンプルは、細胞物質および大きいタンパク質を除去するために処理される。好ましいサンプルは、ミネラルコルチコイドを濃縮してもよい。さらに濃縮されたミネラルコルチコイドサンプルは、こうしたミネラルコルチコイドと抗体または抗体フラグメントとの間で複合体を形成させることによって作製できる。抗体は、支持体上に固定でき、またはさらにろ過または沈殿により単離できる。ミネラルコルチコイドは、複合体が保持されている溶液に対する塩またはpH調節によって抗体複合体から放出できる。]
[0012] 「高速液体クロマトグラフィシステム」という用語は、カラムまたは高圧カートリッジを通して圧力下でクロマトグラフィを行なうためのシステムのことを指す。本誌では、カラムという用語をカラムおよび高圧カートリッジのことを指すように使用し、カートリッジという用語は、分析プロセス用のサンプルを調製するために使用されることが多い低圧デバイスを示すために使用する。]
[0013] 装置は、1つの態様において、ミネラルコルチコイドであるアルドステロンの存在または不存在を決定するために使用される。]
[0014] 好ましくは、装置はさらに、データ管理手段を有する。本明細書で用いられるとき、「データ管理手段」という用語は、コンピュータ処理装置(CPU)、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、サーバ、または適切なソフトウェアを有する計器CPUのような計器制御のことを指す。本発明の1つの態様は、1以上の質量電荷値および保持時間を受容し、ミネラルコルチコイドに対応するシグナルを同定する、こうしたデータ管理手段を特徴とする。]
[0015] 1つの好ましいデータ管理システムは、前記生物学的サンプル中の前記ミネラルコルチコイドの濃度を決定するために、前記ミネラルコルチコイドを同定するシグナルとコントロール値とを比較する。1つの好ましいデータ管理システムは、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの濃度値が正常値から外れていることを示す警告シグナルを生じる。この警告は、正常値もしくはハイライト値またはシンボルを超える濃度数値であることができる。過剰な場合には異常値または警告シグナルは、ミネラルコルチコイドがアルドステロンである場合に原発性アルドステロン症の指標である。]
[0016] 装置の1つの態様は、2から10ミクロンの粒子媒体を充填したカラムを特徴とする。好ましい粒子は、シリカまたは当分野においてハイブリッド粒子と称される場合があるシランを有する有機物である。好ましい粒子は、粒子の表面に結合した脂肪族基を有する。本発明によれば、「脂肪族基」という用語は、通常1から30個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖、環状アルキルおよびアルケンならびに芳香族化合物によって特徴付けられる有機部分を含む。複雑な構造において、鎖は分岐、橋架け、または架橋であってもよい。脂肪族基は、アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基を含む。]
[0017] アルキル基は1以上の炭素原子を有する飽和炭化水素を含み、これらとしては、直鎖アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど)、環状アルキル基(またはシクロアルキルまたは脂環式基)(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなど)、分岐鎖アルキル基(イソプロピル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチルなど)、およびアルキル置換されたアルキル基(例えばアルキル置換シクロアルキル基およびシクロアルキル置換されたアルキル基)が挙げられる。]
[0018] 特定の実施形態において、直鎖または分枝鎖アルキル基は、この骨格において30個以下の炭素原子を有していてもよく、例えば直鎖についてはC1−C30または分岐鎖についてはC3−C30であってもよい。特定の実施形態において、直鎖または分枝鎖アルキル基は、この骨格において20個以下の炭素原子を有していてもよく、例えば直鎖についてはC1−C20または分岐鎖についてはC3−C20であってもよく、より好ましくは18個以下であってもよい。同様に、好ましいシクロアルキル基は、この環構造において4から10個の炭素原子を有し、より好ましくは環構造において4から7個の炭素原子を有する。「低級アルキル」という用語は、鎖に1から6個の炭素を有するアルキル基、および環構造において3から6個の炭素を有するシクロアルキル基のことを指す。]
[0019] 炭素の数が特に示されない限り、本明細書で用いられる「低級脂肪族」、「低級アルキル」、「低級アルケニル」などにおけるような「低級」とは、この部分が少なくとも1個で約8個未満である炭素原子を有することを意味する。特定の実施形態において、直鎖または分枝鎖低級アルキル基は、この骨格において6個以下の炭素原子を有し(例えば、直鎖についてはC1−C6、分岐鎖についてはC3−C6)、より好ましくは4個以下である。同様に、好ましいシクロアルキル基は、この環構造において3から8個の炭素原子を有し、より好ましくはこの環構造において5から6個の炭素を有する。「C1−C6」という用語は、1から6個の炭素原子を含有するアルキル基を含む。]
[0020] さらに、特に示さない限り、アルキルという用語は「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含み、この後者は、炭化水素骨格の1以上の炭素にある1以上の水素を置き換える置換基を有するアルキル部分のことを指す。こうした置換基としては、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスファート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む。)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む。)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、サルファート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を挙げることができる。]
[0021] 「アリールアルキル」部分は、アリール(例えば、フェニルメチル(即ちベンジル))で置換されたアルキル基である。「アルキルアリール」部分は、アルキル基で置換されたアリール基(例えば、p−メチルフェニル(即ちp−トルイル))である。「n−アルキル」という用語は、直鎖(即ち分岐でない)非置換アルキル基を意味する。「アルキレン」基は、対応するアルキル基から誘導される二価部分である。「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、アルキルに類似する不飽和脂肪族基を指すが、それぞれ少なくとも1つの二重炭素−炭素結合または三重炭素−炭素結合を含有する。好適なアルケニルおよびアルキニル基は、2から約12個の炭素原子、好ましくは1から約6個の炭素原子を有する基を含む。「ビニル」基は、エチレニル基(即ち、−CH=CH2)である。「スチリル」基は、ビニル置換されたフェニル基である。]
[0022] 「芳香族基」という用語は、1以上の環を含有する不飽和環状炭化水素を含む。アリール基はまた、多環(例えば、テトラリン)を形成するために、芳香族でない脂環式または複素環式環で縮合または橋架けされていてもよい。「芳香族基」という用語は、1以上の環を含有する不飽和環状炭化水素を含む。一般に、「アリール」という用語は、0から4個のヘテロ原子を含んでいてもよい5−および6−員の単環芳香族基を含む基、例えば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジンなどから誘導される基を含む。「アリーレン」基は、アリール基から誘導される二価部分である。「複素環式基」という用語は、環にある1以上の原子が、炭素以外の元素、例えば窒素、硫黄、または酸素である閉環構造を含む。複素環式基は、飽和または不飽和であることができ、例えばピロールおよびフランのような複素環式基は芳香族特性を有することができる。これらは、キノリンおよびイソキノリンのような縮合環構造を含む。複素環式基の他の例としては、ピリジンおよびプリンが挙げられる。複素環式基はまた、1以上の構成原子にて置換されることができる。]
[0023] 本明細書で用いられるとき、「アミノ」という用語は、式−NRaRbの非置換または置換部分のことを指し、式中RaおよびRbは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アリール、もしくはヘテロシクリルであり、またはRaおよびRbは、これらが結合する窒素原子と一緒になって、環に3から8個の原子を有する環状部分を形成する。故に、「アミノ」という用語は、特に記述しない限り、環状アミノ部分、例えばピペリジニルまたはピロリジニル基を含む。故に、本明細書で用いられるとき、「アルキルアミノ」という用語は、上記で定義されたようなアルキル基にアミノ基が結合した基を意味する。好適なアルキルアミノ基は、1から約12個の炭素原子、好ましくは1から約6個の炭素原子を有する基を含む。「アルキルチオ」という用語は、上記で定義されるようなアルキル基にスルフヒドリル基が結合した基を指す。好適なアルキルチオ基は、1から約12個の炭素原子、好ましくは1から約6個の炭素原子を有する基を含む。本明細書で用いられるとき、「アルキルカルボニル」という用語は、上記で定義されるアルキル基にカルボキシル基が結合した基を意味する。本明細書で用いられるとき、「アルコキシ」という用語は、上記で定義されるようなアルキル基に酸素原子が結合した基を意味する。代表的なアルコキシ基は、1から約12個の炭素原子、好ましくは1から約6個の炭素原子を有する基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシなどを含む。用語「ニトロ」は−NO2を意味し;用語「ハロゲン」または「ハロ」は−F、−Cl、−Brまたは−Iを指定し;用語「チオール」、「チオ」または「メルカプト」はSHを意味し;用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシル」は−OHを意味する。]
[0024] 特に示さない限り、上記で議論された基を含む本発明の化合物の化学性部分は、「置換または非置換」であってもよい。一部の実施形態において、「置換された」という用語は、この部分が、分子が目的とする機能を果たすことができるように、水素以外の部分に配置された置換基を有する(即ち、大抵の場合、水素を置き換える)ことを意味する。置換基の例としては、直鎖もしくは分枝鎖アルキル(好ましくはC1−C5)、シクロアルキル(好ましくはC3−C8)、アルコキシ(好ましくはC1−C6)、チオアルキル(好ましくはC1−C6)、アルケニル(好ましくはC2−C6)、アルキニル(好ましくはC2−C6)、複素環式、炭素環式、アリール(例えばフェニル)、アリールオキシ(例えばフェノキシ)、アラルキル(例えばベンジル)、アリールオキシアルキル(例えばフェニルオキシアルキル)、アリールアセトアミドイル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニルおよびアリールカルボニルもしくはその他のこうしたアシル基、ヘテロアリールカルボニル、もしくはヘテロアリール基、(CR’R’’)0−3NR’R’’(例えば、−NH2)、(CR’R’’)0−3CN(例えば、−CN)、NO2、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、もしくはI)、(CR’R’’)0−3C(ハロゲン)3(例えば、−CF3)、(CR’R’’)0−3CH(ハロゲン)2、(CR’R’’)0−3CH2(ハロゲン)、(CR’R’’)0−3CONR’R’’、(CR’R’’)0−3(CNH)NR’R’’、(CR’R’’)0−3S(O)1−2NR’R’’、(CR’R’’)0−3CHO、(CR’R’’)0−3O(CR’R’’)0−3H、(CR’R’’)0−3S(O)0−3R’(例えば、−SO3H)、(CR’R’’)0−3O(CR’R’’)0−3H(例えば、−CH2OCH3および−OCH3)、(CR’R’’)0−3S(CR’R’’)0−3H(例えば、−SHおよび−SCH3)、(CR’R’’)0−3OH(例えば、−OH)、(CR’R’’)0−3COR’、(CR’R’’)0−3(置換もしくは非置換フェニル)、(CR’R’’)0−3(C3−C8シクロアルキル)、(CR’R’’)0−3CO2R’(例えば、−CO2H)、または(CR’R’’)0−3OR’基、またはいずれかの天然アミノ酸の側鎖から選択される部分を含み;式中、R’およびR’’はそれぞれ独立に、水素、C1−C5アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルキニル、もしくはアリール基であり、またはR’およびR’’は一緒になって、ベンジリデン基または−(CH2)2O(CH2)2−基である。]
[0025] 本明細書で用いられるとき、「置換基」はまた、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスファート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む。)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む。)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、サルファート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分であってもよい。]
[0026] 好ましい脂肪族基は、長さが6から18個の炭素のアルキル鎖である。]
[0027] 好ましい装置は、水中30から40%のアセトニトリルを用いて、均一濃度(isocratically)で操作される高圧クロマトグラフィシステムを有する。]
[0028] 好ましくは、生物学的サンプルは、既知量の標識されたミネラルコルチコイド誘導体でスパイクされる。クロマトグラフィシステムは、保持されたミネラルコルチコイドの濃度をより容易に決定できるように、ミネラルコルチコイドピークを比較するために使用される標識されたミネラルコルチコイドピークを生じる。]
[0029] 本発明のさらなる実施形態は、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイド濃度を決定するためのキットを対象とする。本明細書で用いられるとき、「キット」という用語は、指示に規定されたプロセスを行なう際に使用する部品および試薬のアセンブリを指す。本発明のキットの1つの実施形態は、高いレベルのミネラルコルチコイドの存在または不存在を決定するために、高速液体クロマトグラフィシステムおよび質量分析計を用いるプロセスにて使用するための標識されたミネラルコルチコイドおよび指示を特徴とする。]
[0030] 例えば、限定ではないが、本発明の実施形態の1つは、ミネラルコルチコイドであるアルドステロンを特徴とし、このキットは標識されたアルドステロンを有する。本明細書で用いられるとき、「標識された」という用語は、高効率でミネラルコルチコイドと反応し、標識されたミネラルコルチコイドを質量スペクトルデータにおいて容易に同定できるようにする化学性部分または官能基を指す。好ましい標識は、脂肪族基である。]
[0031] 好ましくはキットはさらに、プロセスを行なう際に使用するその他の消耗品および物品を含む。例えば、限定ではないが、本発明の1つの実施形態はさらに、カラムを含む。]
[0032] 本発明のさらなる実施形態は、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの存在または不存在を決定するための方法を特徴とする。この方法は、カラムを有する高速液体クロマトグラフィシステムに生物学的サンプルを配置する工程を含む。高速液体クロマトグラフィシステムは、ミネラルコルチコイドを潜在的に有する1以上の生物学的サンプルを受容するためのものである。クロマトグラフィシステムは、最初に生物学的サンプルを受容し、ミネラルコルチコイドが存在する場合には、ミネラルコルチコイドの保持時間において、少なくとも1つのミネラルコルチコイド保持ピークを含む保持ピークに化合物を分離する。方法はさらに、高速液体クロマトグラフィシステムに流体連通した質量分設計において、ミネラルコルチコイドの保持時間と対応する少なくとも1つの保持ピークを配置する工程を含む。質量分析計は、前記ミネラルコルチコイドが生物学的サンプル中に存在する場合、ミネラルコルチコイド保持時間において、前記ミネラルコルチコイド保持ピークを含む少なくとも1つの保持ピークを受容する。さらに、質量分析計は、前記保持時間においてミネラルコルチコイドの存在下でシグナルを生じ、保持ピークおよび質量電荷値によって、ミネラルコルチコイドを同定できる。]
[0033] 好ましくは、シグナルは、データ管理手段によって受容される。データ管理手段は、1以上の質量電荷値および保持時間を受容し、ミネラルコルチコイドに対応するシグナルを同定する。本発明の実施形態の1つは、ミネラルコルチコイドであるアルデステロンを特徴とする。]
[0034] 好ましくはデータ管理システムは、ミネラルコルチコイドを同定するシグナルと、コントロール値とを比較して、前記生物学的サンプル中のミネラルコルチコイド濃度を決定する。]
[0035] 好ましくは、方法はさらに、生物学的サンプル中にミネラルコルチコイドの誘導体を提供する工程を含む。誘導体は、標識されたミネラルコルチコイドを提供し、クロマトグラフィシステムは、コントロール値を提供するために、標識されたミネラルコルチコイドピークを生じる。好ましくは、ミネラルコルチコイド保持ピークは、標識されたミネラルコルチコイドピークと比較され、保持されたミネラルコルチコイドの濃度を標識されたミネラルコルチコイドピークと比較可能にする。]
[0036] 好ましくは、方法は、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの濃度値が正常値から外れていることを示す警告シグナルを生じる工程を含む。この工程は、好ましくは、データ管理システムによって行なわれる。警告シグナルは、ミネラルコルチコイドがアルドステロンである場合、原発性アルドステロン症の指標である。]
[0037] 本方法の実施形態は、2から10ミクロンの粒子を有する充填媒体を有するカラムを特徴とする。好ましくは、粒子は、炭素機能性を有する。本方法の実施形態は、均一濃度で操作される高圧クロマトグラフィシステムを特徴とする。好ましい溶媒は、水中30から40%のアセトニトリルである。]
[0038] 本発明の実施形態は、ミネラルコルチコイドに対する抗体を用いたサンプル調製を特徴とする。抗体は、抗体−ミネラルコルチコイド複合体を形成する。複合体は、複合体を形成する前または後での固定化によって単離される。または、複合体は、ろ過または沈殿により単離される。ミネラルコルチコイドは、複合体を保持する溶液の塩またはpH条件を変化させることによって抗体複合体から放出される。]
[0039] これらおよびその他の特徴および利点は、詳細な説明の内容を読み、以下に簡単に記載される図面を再検討する際に、当業者に明らかになる。]
図面の簡単な説明

[0040] 本発明の特徴を具現化する装置の略図である。
本発明の特徴を具現化するキットを示す。
アジソン病患者のサンプルから誘導された、カラムから溶出した化合物の保持プロファイルのグラフ図である。
サンプルの定量の下限のグラフ図である。
患者サンプルの保持プロファイルのグラフ図である。
患者サンプルの保持プロファイルのグラフ図である。図4は着席した正常血圧(normal tensive)被験者から得られたアルドステロン結果の頻度分布の棒グラフ図である。
EDTA捕集管に対する単純凝血塊捕集管からのアルドステロン濃度を示すグラフである。
本発明の特徴を具現化する装置によって得られる種々のアルドステロン濃度における結果をDPCイムノアッセイと比較したものを示すグラフである。
131個の患者サンプルについて血漿または水性キャリブレータを用いて測定されたアルドステロン濃度の比較を示す。
コルチゾールおよびアルドステロンのクロマトグラフを示す。
コルチゾールおよびアルドステロンのクロマトグラフを示す。] 図4
[0041] 本発明の実施形態を、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの存在または不存在を検出するための、装置、キットおよび方法として詳細に記載する。実施形態はさらに、診断ツールとしてのサンプル中のミネラルコルチコイドの定量を特徴とする。次に、本発明は他の適用および使用のために、本明細書に示される教示から逸脱することなく、当業者によって変更および修正され得ることを理解した上で、本発明の好ましい実施形態として現在理解されているものについて詳細に記載する。]
[0042] 図の形態で一般的に示され、数字11によって一般的に指定される本発明の特徴を具現化する装置を図1に示す。この装置は、次の主要な構成要素を有する:高速液体クロマトグラフィシステム15、質量分析計17、サンプル調製アセンブリ19およびデータ管理システム21。] 図1
[0043] 高速液体クロマトグラフィ(HPLC)システム15は、当分野において既知であり、多くの製造供給元から入手可能である。例えば、限定ではないが、HPLCシステム15は、商標名ALLIANCE(登録商標)およびACQUITY(登録商標)(Waters Corporation(米国マサチューセッツ州Milford))として販売されている。HPLCシステムは、ポンプ、インジェクタおよびサンプル取り扱いハードウェアの一体型システムとして、または別個のモジュールとして販売される。サンプル取り扱いハードウェアは、サンプルを充填したバイアル瓶を受容する。インジェクタは、サンプルを引き出し、HPLCシステムの流体ラインにサンプルを配置する。これらの詳細は、当業者に既知であり、明確にするため図からは省略している。好ましいHPLCシステム25は、水中30から40%のアセトニトリルを用いて均一濃度で操作される。]
[0044] HPLCシステムはカラム25を有する。カラム25は、ミネラルコルチコイドを潜在的に有する1以上の生物学的サンプルを受容するためのポンプおよびインジェクタと連通している。クロマトグラフィシステムのカラム25は、最初に1以上の生物学的サンプルを受容し、前記ミネラルコルチコイドが存在する場合には、ミネラルコルチコイド保持時間にて、少なくともミネラルコルチコイドの保持ピークを含む保持ピークに化合物を分離する。装置の1つの態様は、2から10ミクロン粒子の媒体で充填されたカラムを特徴とする。好ましい粒子は、シリカまたは当分野においてハイブリッド粒子と称される場合があるシランを有する有機物である。好ましい粒子は、粒子の表面に結合した脂肪族基を有する。本発明によれば、「脂肪族基」という用語は、通常1から30個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖、環状アルキルおよびアルケンならびに芳香族化合物によって特徴付けられる有機部分を含む。複雑な構造において、鎖は分岐、橋架け、または架橋であってもよい。脂肪族基は、アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基を含む。]
[0045] 好ましい脂肪族基は、長さが6から30個の炭素のアルキル鎖である。カラム25は、多くの製造供給元から入手可能である;例えば、限定されないが、1つのカラム25は、脂肪族基C18の表面化学作用および3ミクロン粒径を有する商標名SUNFIRE(登録商標)(Waters Corporation(米国マサチューセッツ州Milford))として販売されている。]
[0046] 装置11はさらに、ここでは1以上の保持ピークに分離されたサンプルを受容するための、高速液体クロマトグラフィシステム15と流体連通した質量分析計17を含む。それぞれの保持ピークは、保持に関連している。この議論上、目的のミネラルコルチコイドに関連する保持ピークは、ミネラルコルチコイド保持時間を有するミネラルコルチコイド保持ピークと称される。]
[0047] 質量分析計17は、保持時間にてミネラルコルチコイドの存在下でシグナルを生じ、保持ピークおよび質量電荷値によりミネラルコルチコイドを同定できる。質量分析計、例えば質量分析計17は、多くの製造供給元から入手可能である。こうした質量分析計の1つは、トリプル4重極で、商標名QUATTRO PREMIER(商標)(Waters Corporation(米国マサチューセッツ州Milford))として販売されている。]
[0048] 本明細書で用いられるとき、「生物学的サンプル」という用語は、尿、血液、血漿脳脊髄液などである。生物学的流体は、処理されてもよく、または高速クロマトグラフィシステムに直接適用されてもよい。示されるように、装置は、細胞物質および大きいタンパク質を除去するために、サンプル調製システム19を含む。サンプル調製システム19は、多数の製造供給元によって販売されている。こうしたサンプル調製システムの1つは、オンラインシステムとして、商標名SYMBIOSIS(登録商標)(Spark Holland(オランダ、エメン))として販売されている。このシステムは、幾つかの製造供給元から入手可能な抽出カートリッジを用いて操作する。好ましいカートリッジは、脂肪族基C18の表面化学作用を有する商標名HYSPHERE(商標)(Spark Holland(オランダ、エメン))として販売されている。]
[0049] 好ましいサンプルは、ミネラルコルチコイドを濃縮してもよい。より濃縮されたミネラルコルチコイドサンプルは、こうしたミネラルコルチコイドと抗体またはは抗体のフラグメントとの間に複合体を形成させることによって製造できる。抗体は、支持体上に固定でき、またはろ過もしくは沈殿によってさらに単離されることができる。ミネラルコルチコイドは、複合体が保持されている溶液への塩またはpH調節によって抗体複合体から放出できる。]
[0050] 示されるように、サンプル調製アセンブリ19は、二重矢印によってHPLCシステム15と機械的または流体連通している。「流体連通」という用語は、パイプまたは導管によって連結されるように共に配管されていることを意味する。「機械的に連通」という用語は、バイアル瓶中の流体を移動できること、または流体が一方の構成要素から他方へ容易に移動できるように近位にあることを意味する。HPLCシステム15は、実線によって質量分析計17と流体連通した状態で示されている。]
[0051] HPLCシステム25、質量分析計17、および好ましくはサンプル調製アセンブリ19は、データ管理システム21とシグナル通信している。本明細書で用いられるとき、「シグナル通信」という用語は、データおよび計器コマンドを受けるための、電子または電波または光学通信、例えばワイアレス通信のことを指す。]
[0052] 装置11は、ディスプレイスクリーン27を備えたコンピュータとして図1にて指定されるデータ管理手段21を有する。しかし、データ管理手段は、多くの形態、例えばコンピュータ処理装置(CPU)、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、サーバ、または計器制御、例えば適切なソフトウェアを備えた計器CPUをとることができる。コンピュータおよびソフトウェアは、幾つかの製造供給元から入手可能である。ソフトウェアプログラムは、商標EMPOWER(商標)およびMASSLINX(登録商標)(Waters Corporation(米国マサチューセッツ州Milford))として販売されている。] 図1
[0053] データ管理手段21は、1以上の質量電荷値および保持時間を受容し、ミネラルコルチコイドに対応するシグナルを同定する。好ましくは、データ管理システム21は、前記生物学的サンプル中の前記ミネラルコルチコイドの濃度を決定するために、前記ミネラルコルチコイドを同定するシグナルとコントロール値とを比較する。好ましいデータ管理システム21は、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの濃度値が正常値から外れていることを示す警告シグナルを生じる。この警告は、正常値もしくはハイライト値またはシンボルを超える濃度数値であることができる。]
[0054] 過剰な場合は異常値または警告シグナルは、ミネラルコルチコイドがアルドステロンである場合は原発性アルドステロン症の指標である。警告シグナルは、スクリーン27上に表示される、またはコピー紙[図示せず]に印刷される。値は、メモリ[図示せず]に保存してもよく、または他の場所およびコンピュータに通信されてもよい。]
[0055] 好ましくは、生物学的サンプルは、既知量の標識されたミネラルコルチコイド誘導体でスパイクされる。故に、サンプル調製アセンブリ19は、標識されたミネラルコルチコイド誘導体を添加する。HPLCシステム15は、標識されたミネラルコルチコイドピークを生じ、これをミネラルコルチコイドピークと比較するために使用する。データ管理システム21によって行なわれるこの比較は、保持されたミネラルコルチコイド濃度をより容易に決定することができる。]
[0056] ここで図2について見ると、本発明のさらなる実施形態は、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの濃度を決定するための、一般に数字51によって指定されるキットを対象とする。キット51は、指示にて規定されたプロセスを行なう際に使用するための部品および試薬のアセンブリである。故に、キット51は、高いレベルのミネラルコルチコイドの存在または不存在を決定するために高速液体クロマトグラフィシステムおよび質量分析計を用いるプロセスに使用するための、バイアル瓶53中の標識されたミネラルコルチコイド、カラム25および指示55を有する。キット51は、箱57のような好適なパッキングによって共に保持されている。] 図2
[0057] 本発明の方法の実施形態は、図1の装置11の操作について議論されている。生物学的サンプルは、サンプル調製アセンブリ19によって処理される。次いで、処理された生物学的サンプルは、カラム25を有する高速液体クロマトグラフィシステム15に配置される。高速液体クロマトグラフィシステム15は、最初に生物学的サンプルを受容し、ミネラルコルチコイドが存在する場合には、ミネラルコルチコイド保持時間にて、少なくとも1つのミネラルコルチコイド保持ピークを含む保持ピークに化合物を分離する。ミネラルコルチコイドに関する保持時間に対応する少なくとも1つの保持ピークのサンプルを、高速液体クロマトグラフィシステム15と流体連通した質量分析計17に配置する。質量分析計17は、生物学的サンプル中に前記ミネラルコルチコイドが存在する場合には、ミネラルコルチコイド保持時間にて前記ミネラルコルチコイド保持ピークを含む少なくとも1つの保持ピークを受容する。および、質量分析計17は、前記保持時間にてミネラルコルチコイドの存在下でシグナルを生じ、保持ピークおよび質量電荷値によってミネラルコルチコイドを同定できる。] 図1
[0058] シグナルは、データ管理手段21によって受容される。データ管理手段は、1以上の質量電荷値および保持時間を受容し、ミネラルコルチコイドに対応するシグナルを同定する。データ管理システム21は、前記生物学的サンプル中のミネラルコルチコイド濃度を決定するために、ミネラルコルチコイドを同定するシグナルとコントロール値とを比較する。]
[0059] 好ましくは、方法は、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの誘導体を提供する工程をさらに含む。誘導体は、標識されたミネラルコルチコイドを提供し、HPLCシステム15は、標識されたミネラルコルチコイドピークを生じて、コントロール値を提供する。好ましくは、ミネラルコルチコイド保持ピークは、データ管理システム21によって、標識されたミネラルコルチコイドピークと比較され、保持されたミネラルコルチコイドの濃度を決定できる。]
[0060] データ管理システム21は、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの濃度値が正常値から外れていることを示す警告シグナルを生じる。]
[0061] 次の実施例は、本発明の特徴を強調する。]
[0062] 材料および方法
試薬
アルドステロンおよびd7−アルドステロン(内部標準)は、それぞれSigma−Aldrich and IsoSciences(King of Prussia(米国ペンシルベニア州))から購入した。アルドステロンおよび内部標準の原液をメタノール中に調製した。キャリブレータおよびクオリティコントロールはアジソン病を患う患者から得られたEDTA血漿中に調製した。最終キャリブレータ濃度は、25、50、100、250、500、1000、および2000pg/mLであった。クオリティコントロールの濃度は、25、60、400、1500、および2000pg/mLであった。分析範囲(5000pg/mL)外にあるクオリティコントロールは、1/5および1/10希釈試験に関して使用した。沈殿試薬を、内部標準(2950pg/mL)を含有する0.3M硫酸亜鉛:メタノール(1:5,vol:vol)を用いて調製した。]
[0063] サンプル調製およびオンライン抽出
血漿標準、クオリティコントロールおよび患者サンプル(200μL)を沈殿試薬(200μL)で予め処理し、混合し、遠心分離した。上澄み液をSymbiosisHPLC−オンライン固相抽出システム(Spark Holland(オランダ、エメン))に移した。Hysphere C18HD抽出カートリッジ(10×2mm,7μm)をアセトニトリル(1mL)で予め調整し、続いて水(1mL)で調整し、上澄み液(250μL)を充填した。続けてカートリッジを、0.1%水酸化アンモニウム中の10%アセトニトリル(1mL)、0.1%ギ酸中の10%アセトニトリル(1mL)および水中の10%アセトニトリル(1mL)で洗浄した。分析物を、45秒間初期クロマトグラフィ条件(以下に示す)下にあるカートリッジから洗浄した。サンプルの処理を平行して行なった(即ち、1つのサンプルを調製しながら、先行するサンプルを溶出する。)。Symbiosisシステムの操作に関するさらなる詳細に関しては、de Jongら(7)の最近の文献を参照のこと。]
[0064] HPLC−質量分析
クロマトグラフィは、均一濃度条件(35%アセトニトリル/水)下、0.3mL/分の流速にて、Sunfire Cl8分析カラム(50×3.0mm,3μm)にて行なった。100%アセトニトリルを用いる1ml/分で2分間のカラム洗浄を、注入後2.5分にて行なった。カラムを出発条件にて2.5分間再平衡化させ、総分析時間を7分にした。]
[0065] 質量分析検出は、Quattro Premierトリプル4重極質量分析計(Waters Corp(米国))にて、負のエレクトロスプレーイオン化条件(−2500V)を用いて、選択された反応モニタリング(アルドステロンm/z358.9→330.9;d7−アルドステロンm/z365.9→337.9)によるものであった。化合物に特異な操作パラメータのコーン電圧および衝突エネルギーは、それぞれ−30Vおよび−17eVであった。HPLC−MSを制御して、データをMassLynx(Waters)で処理した。]
[0066] 結果および議論
この方法の選択性を示すために、アジソン病を患う患者からの血漿を分析する際に干渉は観察されなかった(n=5)。図3Aは例のクロマトグラムを示す。これらの患者から得られた血漿は、標準およびクオリティコントロールを製造するために続けて使用した。] 図3A
[0067] この方法は、25から2000pg/mL(r2>0.996,n=8)の分析範囲にわたって線形であることがわかった。さらに、2000pg/mLを超える結果を有するサンプルは1/5または1/10に首尾良く希釈できたことが証明された。大部分の末梢静脈サンプルは、分析範囲内であるが、希釈プロトコルは一部の副腎静脈サンプルについて必要である。]
[0068] 表1は、クオリティコントロールサンプル(60、400、1500pg/mL)についての日差お日内正確度および不精密度は、それぞれ92.2から102%、および<6.3%であったことを示す(n=5)。]
[0069] ]
[0070] 定量の下限は、91.4%から94.5%および<9.5%(n=5)の日差および日内正確度および不精密度について、25pg/mlであった(図3B)。直立(着席した)正常血圧のコントロール被験者から得られた一連のサンプルを分析した結果を図4に示す。アルドステロン濃度および結果の分布は、こうしたコホートに関して予測される通りであった。このグループからの患者に関するクロマトグラムを図3(C)に示す(52.7pg/mLの測定濃度)。] 図3B 図4
[0071] 参照としてEDTA捕集管を用いて、3つの他の捕集管(リチウムへパリン、単純凝血塊および漿液分離管)の評価では、結果に有意な差は見られなかった。図5は、EDTA管に対する単純凝血塊管からのサンプルについての結果の比較を示す(r2=0.993,n=66)。] 図5
[0072] フルドロコルチゾン抑制試験を受けた患者からの一連の66個のサンプルについて、イムノアッセイからのもの(DPC Coat−a−Count(商標)アルドステロンキット、Diagnostic Products Corporation(米国カリフォルニア州ロサンゼルス))と比較したHPLC−MS方法から得られるアルドステロン結果を図6に示す。方法では一応の一致があるが(r2=0.958)、最良適合線あたりの結果には大きな広がりがあった。この広がりは、イムノアッセイの不精密度および/または抗体の非特異性に起因する可能性があった。] 図6
[0073] 先天性副腎過形成を患う2人の患者から得られた血漿サンプル中のアルドステロン濃度を、HPLC−MSおよびDPCイムノアッセイの両方で測定した。これらの分析結果は、ケース1については92.0pg/mL(HPLC−MS)および694pg/mL(DPC)、ケース2については68.1(HPLC−MS)および303pg/ml(DPC)であった。これら2つのケースは、特定の臨床条件下、イムノアッセイは、非特異的な抗体結合を顕著に受けることがあることを示しており、結果の過大評価および誤診の可能性を生じる。]
[0074] ここで記載されるHPLC−MS方法は、臨床的に関連する範囲にわたって正確で、精密であり、抗体に基づく方法よりも選択性の程度が高く、分析されるサンプルの種類に影響を受けない。]
[0075] キャリブレータ
通常、慣用の臨床アッセイは、目的とする分析物として同じマトリックス中に調製されるキャリブレータおよびQCを使用する必要がある。これは、サンプル調製によって見積もられないいずれかの「マトリックス作用」がサンプルならびにキャリブレータおよびQCに対してほぼ同等の作用を示すことを確実にするためであり、結果としてサンプル分析の結果は正確になる。広範囲のサンプル調製を使用し、明らかなマトリックス作用の全てを排除する参照測定手順は、キャリブレータが調製されるマトリックスに影響されず、そのため純水な溶媒、例えば水(液体)中に調製されるキャリブレータを使用できる。]
[0076] 本発明者らは、ここで、マトリックス中に調製されたキャリブレータおよび水中に調製されたキャリブレータを用い、131個の患者サンプルについて本発明者らのオンライン−SPE−LC/MS/MS方法を使用してアルドステロンの測定に関して得られた結果を比較した。各サンプルに関する2つの結果を図7に示す線形回帰分析によって比較する場合、非常に強い相関(r2=0.9997)があり、0.982の傾きは、平均して結果の相違が2%未満である(計算された平均中間相違は1.24%である)ことを示す。これは、実験誤差の範囲内であり、オンライン−SPE−LC/MS/MS方法は、患者のサンプルの正確な分析のために、非マトリックスキャリブレータと組み合わせて使用できることを示唆している。これは、アルドステロン分析用、および可能性としては他の分析物の分析用の試薬キットの製造を大いに簡素化し、さらに国際標準参照物質、例えばNISTによって開発されたものに対するキャリブレータの計量トレーサビリティを容易にする。] 図7
[0077] 複数の分析物
本発明者らは、コルチゾールおよびアルドステロンを同時にモニターでき、定量できるように、LC/MS/MS条件を修正した。例のクロマトグラムを以下で図8に示す。]
実施例

[0078] 故に、本発明者らは、上記記載が好ましい実施形態に関するものであり、修正および変更が可能であることを理解した上で本発明を記載した。故に、本発明は、精密な詳細に限定されるべきではなく、次の特許請求の範囲およびこれらの均等物の主題を包含すべきである。]
权利要求:

請求項1
生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの存在または不存在を検出するための装置であって:a.潜在的にミネラルコルチコイドを有する1以上の生物学的サンプルを受容するカラムを備えた高速液体クロマトグラフィシステムであって、前記クロマトグラフィシステムが、最初に1以上の生物学的サンプルを受容し、前記ミネラルコルチコイドが存在する場合は、ミネラルコルチコイド保持時間にて、ミネラルコルチコイドに関するミネラルコルチコイド保持ピークを少なくとも含む保持ピークに化合物を分離する、クロマトグラフィシステム;およびb.前記ミネラルコルチコイド保持時間にて前記ミネラルコルチコイド保持ピークを含む1以上の前記保持ピークを受容するための、前記高速液体クロマトグラフィシステムと流体連通した質量分析計であって、前記質量分析計が、前記保持時間にて前記ミネラルコルチコイドの存在下でシグナルを生じ、保持ピークおよび質量電荷値によって前記ミネラルコルチコイドを同定できる質量分析計を含む、装置。
請求項2
前記ミネラルコルチコイドがアルドステロンである、請求項1に記載の装置。
請求項3
データ管理手段をさらに含む、請求項1に記載の装置であって、前記データ管理手段が、前記1以上の質量電荷値および保持時間を受容し、前記ミネラルコルチコイドに対応するシグナルを同定する、装置。
請求項4
前記データ管理システムが、前記ミネラルコルチコイドを同定する前記シグナルとコントロール値とを比較して、前記生物学的サンプル中の前記ミネラルコルチコイドの濃度を決定する、請求項3に記載の装置。
請求項5
前記データ管理システムが、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイド濃度値が正常値から外れていることを示す警告シグナルを生じる、請求項4に記載の装置。
請求項6
前記警告シグナルが、原発性アルドステロン症の指標である、請求項5に記載の装置。
請求項7
前記カラムが、2から10ミクロン粒子の充填媒体を有する、請求項1に記載の装置。
請求項8
前記粒子が炭素機能性を有する、請求項7に記載の装置。
請求項9
前記高圧クロマトグラフィシステムが均一濃度で操作される、請求項1に記載の装置。
請求項10
前記高圧クロマトグラフィシステムが、水中30から40%アセトニトリルを用いて操作される、請求項9に記載の装置。
請求項11
前記生物学的サンプルが、既知量の標識されたミネラルコルチコイド誘導体でスパイクされ、前記クロマトグラフィシステムが標識されたミネラルコルチコイドピークを生じる、請求項1に記載の装置。
請求項12
前記ミネラルコルチコイド保持ピークを、前記標識されたミネラルコルチコイドピークと比較して、前記保持されたミネラルコルチコイドの濃度を前記標識されたミネラルコルチコイドピークと比較可能にする、請求項11に記載の装置。
請求項13
生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの濃度を決定するためのキットであって、高いレベルのミネラルコルチコイドの存在または不存在を決定するために、標識されたミネラルコルチコイドおよび、高速液体クロマトグラフィシステムおよび質量分析計における前記標識されたミネラルコルチコイドの使用に関する指示とを含むキット。
請求項14
前記ミネラルコルチコイドがアルドステロンである、請求項13に記載のキット。
請求項15
カラムをさらに含む、請求項13に記載のキット。
請求項16
生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの存在または不存在を決定する方法であって:a.潜在的にミネラルコルチコイドを有する1以上の生物学的サンプルを受容するためのカラムを有する高速液体クロマトグラフィシステムに生物学的サンプルを配置する工程であって、前記クロマトグラフィシステムが、最初に前記生物学的サンプルを受容し、前記ミネラルコルチコイドが存在する場合は、ミネラルコルチコイド保持時間にて、前記ミネラルコルチコイドに関する少なくとも1つのミネラルコルチコイド保持ピークを含む保持ピークに化合物を分離する、工程;およびb.ミネラルコルチコイドの保持時間に対応する前記少なくとも1つの保持ピークを、前記高速液体クロマトグラフィシステムと流体連通した質量分析計に配置する工程であって、前記質量分析計が、前記ミネラルコルチコイドが前記生物学的サンプル中に存在する場合には前記ミネラルコルチコイド保持時間にて前記ミネラルコルチコイド保持ピークを含む前記少なくとも1つの保持ピークを受容し、前記質量分析計が、前記保持時間にて前記ミネラルコルチコイドの存在下でシグナルを生じ、保持ピークおよび質量電荷値によって前記ミネラルコルチコイドを同定できる、工程を含む、方法。
請求項17
前記ミネラルコルチコイドがアルドステロンである、請求項16に記載の方法。
請求項18
さらに、前記シグナルがデータ管理手段によって受容され、前記データ管理手段が1以上の質量電荷値および保持時間を受容し、前記ミネラルコルチコイドに対応するシグナルを同定する、請求項16に記載の方法。
請求項19
前記データ管理システムが、ミネラルコルチコイドを同定する前記シグナルとコントロール値とを比較し、前記生物学的サンプル中のミネラルコルチコイド濃度を決定する、請求項18に記載の方法。
請求項20
前記生物学的サンプル中に前記ミネラルコルチコイドの誘導体を提供する工程をさらに含み、標識されたミネラルコルチコイドピークを生じる前記クロマトグラフィシステムがコントロール値を提供する、請求項18に記載の方法。
請求項21
前記ミネラルコルチコイド保持ピークを、前記標識されたミネラルコルチコイドピークと比較して、前記保持されたミネラルコルチコイドの濃度を、前記標識されたミネラルコルチコイドピークと比較可能にする、請求項20に記載の方法。
請求項22
前記データ管理システムが、生物学的サンプル中のミネラルコルチコイドの濃度値が正常値から外れていることを示す警告シグナルを生じる、請求項19に記載の方法。
請求項23
前記警告シグナルが原発性アルドステロン症の指標である、請求項22に記載の方法。
請求項24
前記カラムが、2から10ミクロン粒子の充填媒体を有する、請求項16に記載の方法。
請求項25
前記粒子が炭素機能性を有する、請求項24に記載の方法。
請求項26
前記高圧クロマトグラフィシステムが均一濃度で操作される、請求項16に記載の方法。
請求項27
前記高圧クロマトグラフィシステムが水中30から40%アセトニトリルを用いて操作される、請求項26に記載の方法。
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引用文献:
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